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第40回(2003.08.18) 
ドラッカーに学ぶプロジェクトマネジメント
 

今回は、40号なので、前回からの話題は一休みして、別のテーマにします。

みなさんはピーター・ドラッカーという思想家をご存知ですか?

ドラッカーをめぐってはいろいろな意見があると思いますが、僕が一番、思うのは、言葉の含蓄の深さです。よく本質を言い当てる言葉っていいますが、ドラッカーの言葉の本質は、かなり、よく考えないと何を言いたいのか理解できないものが多いです。

そんなドラッカーの「名言集」が出版されました。

仕事の哲学」(こちらがオススメ!)
 

経営の哲学

これを読んでいるうちに、ドラッカーの言葉をプロジェクトマネジメントの中で解釈するシリーズを展開してみようと思い立ちました。ただ、養成マガジンのラインナップには入れにくいので、別の形でやることにしました。

ちょうど、プロジェクトマネージャー養成塾の「メール会員」なるものを準備中でして、この会員向けのメルマガとして配信することにしました。

また、これ以外に、プロジェクトマネジメントOS本舗オリジナルのPMBOK2000解説資料の進呈などの特典もあります。

会費は無料ですので、奮ってご登録ください。お申し込みはこちら。

とは言っても、イメージがわきにくいと思いますので、戦略ノート第40回記念号は「ドラッカーに学ぶプロジェクトマネジメント」の創刊準備号をお送りします。



■コミュニケーションは組織である

【今週のドラッカー】
コミュニケーションは、私からあなたへ伝達するものではない。それは、我々の中の一人から、我々の中のもう一人へ伝達するものである。組織において、コミュニケーションは手段ではない。組織のあり方そのものである。
(「マネジメント」より)


 プロジェクトは短期決戦である。その中で、マネジメントが個人の能力をエンハンスできるわけではない。もちろん、個人レベルの学習はある。UMLでモデリングしたことがない人が、勉強しながらモデリングする。これにより、個人の能力は強化される。ただし、これをマネジメントとして行うべきことではない。これは個人の責任においてすべきことだからだ。

 その中で、マネジメントとしてすべきことは、個人のもてる力をフルに活用することである。チームであるので、1+1=2では十分ではない。個人の持てる力をフルに活用するというのは、1+1を3や4にすることである。

 どのためにどうすればよいか?その答えが、ドラッカーの言葉の中にある。「コミュニケーションは、我々の中の一人から、我々の中のもう一人へ伝達するものである」という意識を創り上げることだ。

 個人の能力をフルに発揮する環境というと、マネージャーがその人のパフォーマンスを落とす要因を排除して、力を出させようとしている光景によく出会う。これはこれで、必要なことかもしれないが、これでは、1+1を2にすることが目標になる。言い換えると「失敗しない」こと。

 1+1が3になるには、それぞれの人が、自分の置かれている状況に関心を持ち、自分の作業をうまく進めることはいうまでもなく、他の人の作業をうまく進めるには自分が何をできるかということを考え、積極的に行動していくしかない。

 つまり、プロアクティブなのだ。言い換えると組織の有り様に他ならない。

 ドラッカーのいう「我々の中の一人から、我々の中のもう一人へ伝達するもの」という認識はまさにプロアクティブを実現するための思想である。

 プロジェクトマネージャーは何ができるのだろうか?そんなに多くはないが、情報をオープンにする、メンバーの一人一人が自分の行動が他人の行動に影響を与えていることを、事あるごとに指摘していくことなどだろう。

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著者紹介
好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
20年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「コンセプチュアル・マネジメント(無料)」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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