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第133回(2007.02.02)
プロジェクトマネジャーの語るべき言霊とは |
◆言霊
前回、プロジェクトをコントロールするプロジェクトマネジャーとプロジェクトに追われるプロジェクトマネジャーという話をした。
第132回 プロジェクトに追われるプロジェクトマネジャー
2年くらい前に、戦略ノートに「プロジェクトという言霊に振り回されて仕事がうまく行っていない」ということを書いて、結構、賛否の意見を戴いた。
第70回 PMstyle流プロジェクト思考
言霊とは「言葉に宿ると信じられた霊的な力のこと」で、声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与えると信じられ、良い言葉を発するとよいことが起こり、不吉な言葉を発すると凶事がおこるとされた。
僕は井沢元彦という作家の本をときどき読むが、井沢元彦の
「「言霊の国」解体新書」
に以下のようなフレーズがある。
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「自分の国は自分で守る」という『世界の常識』を口にすると、『平和の敵』とレッテルを貼られてしまう。『平和』を唱えていれば努力をしなくても『平和』が続くと信じられているこの国では、『有事に備えようとする者』は『戦争を望む者』とみなされるのだ。
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◆言霊化される「プロジェクトマネジメント」
井沢の論点は言論の自由なのでこれ以上の説明はしないが、ここで井沢が指摘していることはプロジェクトマネジメントの仕事をしていてよく感じることがある。プロジェクトだけではない、どうも、プロジェクトマネジメントが言霊化している。
プロジェクトマネジメントが言霊化することは恐ろしいことだ。平和の話と一緒で、プロジェクトマネジメントを唱えるだけで、プロジェクトがマネジメントされると信じている人がいる。そんなバカなと思う人も多いと思うが、意外と馬鹿とは言い切れない部分があるのではないだろうか?あなたの組織でこんな言葉を聞いたことはないだろうか?
プロジェクトマネジメントを導入しただけでは何も変わらない。これからだ。
日本は言霊の国であることをよく知っている人がいるとこのような声が出てくるのだ。
ただし、言霊をめぐる意見は、井沢氏のような意見だけではない。
ソフィアバンク代表の田坂広志氏は、「経営者が語るべき言霊」として、言霊の肯定的な効果を示唆している。
経営者が言い続けることにより、言霊として社員に影響を与えるという言霊の一面がある。実際に、一事を成し遂げたリーダーとお話すると、言い続けることの大切さを訴える人は少なくない。言い続けることによって、言葉に言霊が宿るという説明ができるのだろう。
この本では、彼のポリシーを託した言霊をたくさん書いている。多くの経営者の共感を得ている。
田坂広志「CD 経営者が語るべき「言霊」とは何か」
◆プロジェクトマネジャーの語るべき言霊とは
では、我々はどうすればいいのだろうか?井沢氏と田坂氏のそれぞれが言っていることをあわせると、プロジェクトマネジメントなどといった言霊ではなくて、別の言霊をプロジェクトマネジャーやシニアマネジャー、あるいは組織は語る必要があるのではなかろうか?
例えば、プロジェクトをコントロールすることを言霊として語るとすれば、
プロジェクトを視える化しよう
というのはどうだろうか(見える化ではない!)?
さて、ブログ「ひとつ上のプロマネ。」では、プロジェクトマネジャーが語るべき言霊を大募集したい。
プロジェクトマネジャーが語るべき言霊とは
想いのある方はぜひ!
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著者紹介
好川哲人、MBA、技術士 株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
20年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「コンセプチュアル・マネジメント(無料)」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。
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