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第7回(2006.06.09)
内外製分析
プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木道代 |
今回は、「PMBOKのツールと技法を極める」シリーズの7回目として、調達知識エリアの「購入・取得計画」プロセスのツールと技法である内外製分析を取り上げることにし、見積り方法の続きは後日に回します。
◆内外製分析
調達知識エリアは、作業の実行に必要なプロダクト、サービスをプロジェクトの外部から購入または取得するプロセスからなっています。つまり、プロジェクト内(または社内)でリソース(人員・資材・設備など)を手配できないために、外部から購入・取得することを調達と呼びます。その調達知識エリアには以下のプロセスがあります。
○計画プロセス群
1.購入・取得計画:いつ、何を、どのように購入するか
2.契約計画:調達品に関する要求事項を文書化し、納入候補を特定する
◎実行プロセス群
3.納入者回答依頼:見積り、入札、オファー、プロポーザルなどを得る
4.納入者選定:納入者の回答の検討、納入者の選定をし、契約に関する交渉を行う
●監視コントロール・プロセス群
5.契約管理:購入者と納入者の間の契約と相互の関係をマネジメント
▲終結プロセス群
6.契約終結:契約の完了と清算
この調達の流れでは、まず、「購入・取得計画」プロセスで、調達するかしないのかを決めますが、内外製分析は、その内製するか外製(調達)するのかを決めるためのツールです。
「購入・取得計画」プロセスでは、プロジェクト組織の外部から取得・購入することと、プロジェクト・チームが実行するすることのどちらがプロジェクト・ニーズがよく満たされるかを明らかにします。
それでは、プロジェクト・ニーズは何かといいますと、プロジェクトの目的を達成するかどうかです。そしてそれは、SQCDやリスク、実現可能性の観点などから内外製分析を行いますが、どんな単位で内外製分析を行うのでしょうか。
プロジェクトの計画を作成するためには、まず、プロジェクトで必要な作業を洗い出すために、WBS(Work Breakdown Structure)を作成します。そして、プロジェクトで作成する成果物をブレークダウンして作成していきますが、成果物をブレークダウンした最小の成果物のことをワーク・パッケージと呼びます。
その後、ワークパッケージを作成するために必要な作業にブレークダウンしていきますが、そのブレークダウンされた作業のことをアクティビティと呼びます。
内外製分析はこのワークパッケージまたはアクティビティまたはもう少し上のレベルの中間成果物で行います。
そして、そのポイントは次の通りです。
・ワークパッケージでの作業内容、必要なスキル、制約条件から内製、外製のどちらが優れているか
・コスト、スケジュール、リスク、実現可能性は内製、外製のどちらが優れているか
これらを総合的に判断し、そのワークパッケージでの内製、外製のどちらかを選んでいき、最後に、全体的に調整し、内外製を決定していきます。
このように、最初に調達ありき、外注先ありきでWBSを作成するのではなく、ブレークダウンしたWBSの項目をリスクや実現可能性、制約条件、コスト、スケジュールから判断して内外製を決定していきます。
次回も調達について取り上げたいと思います。
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PMBOKは、米国PMIの商標(R)です。
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