第36回(2007.03.30)
コスト・ベースライン(2)
プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木道代 
 

◆コスト・ベースライン
今回は、コスト知識エリアのコストの予算化プロセスのコスト・ベースラインについて取り上げます。

コスト・ベースラインとは、

第11回 コストベースライン

でも取り上げましたが、時間軸ベースの予算であり、コスト見積りプロセスで見積もられたコストを時間軸に沿って配分したもので、通常S字曲線のグラフの形を示すといわれています。

コスト・ベースラインは、コスト・パフォーマンスを監視するために使用されますので、コストの内容は何を監視するかによって、複数のベースラインを作成します。
例えば、人件費のコスト・ベースラインや購入品に支払予定のコスト・ベースラインなどです。
複数のコスト・ベースラインで監視することもあれば、ひとつのコスト・ベースラインを監視することもあり、EVMでは、すべてのコストを一元化したコスト・ベースラインを作成し、進捗を見ていると言えます。

コスト・ベースライン(時間軸ベースの予算)を作成するためには、

・各アクティビティにおけるコスト見積
・WBS
・プロジェクト・スケジュール

この3つの情報が必要です。つまり、各アクティビティにおけるコスト見積金額がいつ使われるか、
すなわち、各アクティビティがいつ開始されいつ終了する予定なのか、
また、そのアクティビティはどんなワークパッケージを作るための作業なのか、
という情報から、コストが発生する時期に割り当てていき、コスト・ベースラインを作成します。

ここで、どんなコストをコスト・ベースラインに含めるのか、例えば、作業場所代や通信費などは入るのか入らないのか、開発マシンは入るのか入らないのかという問題が出てきます。これは、何が良いとか悪いとかではなく、どんな費用をプロジェクト予算とするかということです。
つまり、コスト・ベースラインを作成した費用と、同じ費用を監視することによって、プロジェクト予算をオーバーしないように監視することになります。

それでは、どのようにコスト・ベースラインを作成するか、は次回にします。

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