|
第109回(2006.07.25)
プロジェクトマネジメントはどこに向かうのか(その3)
〜プロジェクトマネジメントの分担 |
◆前回の復習
前回は多少脱線気味に、スーパープロジェクトマネジャーが必要かどうかという話をした。メルマガでは言葉で説明した図をアップしているので、確認してほしい。
プロジェクトマネジメントはどこに向かうのか(その2)〜スーパーPMは必要か
要点を整理しておくと、一つのプロジェクトがうまくマネジメントされるためには、組織全体のガバナンスが保たれていることが必要であり、そのためには、プロジェクトマネジャー自身が、オペレーションからポートフォリオ、プログラムまでマネジメントできるような存在になるという短絡的(理想的?)なアプローチが考えられるが、そんなプロジェクトマネジャーを見つけるのは、宝くじに当たるようなもので、ナンセンスであるということを述べた。
◆プロジェクトマネジメントを分担する
では、どうするのか?が問題である。だんだん、話が見えてきたと思うが、プロジェクトマネジメントの中には、オペレーションマネジメント、ポーフォトリオマネジメント、プログラムマネジメントとオーバーラップしている部分がある。それらの部分については誰がマネジメントすることが最も適切かを考え、適切な人がマネジメントを行っていくようなプロジェクト推進体制を作る必要がある。
分かりやすいところで、プロジェクト憲章の作成を考えてみる。これは明らかに組織として行うべきプロジェクトマネジメントである。プロジェクトマネジャーの任命ドキュメントであるので、書けといってもかけない。組織側では、オペレーションマネジャー(ラインマネジャー、リソースマネジャー)がやるのが適切なマネジメントワークか、プログラムマネジャーがやるのが適切なマネジメントワークかはケースバイケースだと思われる。
このようにプロジェクトマネジメントのアクティビティそのものを分解し、ラインマネジャー、プログラムマネジャー、プロジェクトマネジャーで分担していくことが望ましい。
◆スポンサーとの関係
このような考え方をする際に、ポイントになるのが、「スポンサー」という概念である。PMBOK(R)によるとスポンサーとは
プロジェクトに対して、現金や物資等の資金的な資源を提供する人やグループ
である。
PMBOK(R)の「図2.5 ステークホルダとプロジェクトの関係図」は非常に示唆にとんだ図になっている。スポンサーはステークホルダとプロジェクトチームプロジェクトマネジメントチーム)の両方にかかっている。つまり、外的な影響と、統制の方法を使い分けてプロジェクトマネジメントを支援していく人だということになる。
では、実際にスポンサーはマネジメントワークのどのような部分を引き受けるのか?
その説明をする前に、プロジェクトとスポンサーとのあるべき関係について、「PMOマガジン」の「PMCoE戦略ノート」で方で議論したものがあるので参考にしてほしい。
第4回 ラインマネジャーはプロジェクトスポンサー
第5回 プロジェクトスポンサーに期待される役割
第6回 プロジェクトスポンサーとしての活動
◆関連セミナーを開催します
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆プログラム&プロジェクトによる価値創造の進め方 ◆7PDU's 日時:2017年 06月 06日(火)10:00-18:00(9:40受付開始) 場所:ちよだプラットフォームスクウェア(東京都千代田区) 講師:好川哲人(エムアンドティ・コンサルティング) 詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/initiative.htm 主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 【カリキュラム】
1.プロジェクトによる価値創造のためのマネジメントとは
2.プロジェクト・イニシアチブの実践
(1)プロジェクト・イニシアチブの構想と計画
(2)ポートフォリオによるインパクトのデザイン
(3)プログラムによるインパクトのマネジメント
(4)価値を創造する個別プロジェクトの構想、計画、マネジメント
3.プロジェクト・イニシアチブの構想演習
4.プロジェクトによる価値創造の実際 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
|
|
前の記事 | 次の記事 | 記事一覧 |
|
著者紹介
好川哲人、MBA、技術士 株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
20年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料)」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。
メルマガ紹介
本連載は、「PM養成マガジン」にて、連載しております。メルマガの登録は、こちらからできます。 |
スポンサードリンク |
|