第34回(2007.03.02)
クラッシング
プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木道代 
 

前回は、タイム知識エリアのスケジュール作成のツールと技法であるクリティカル・チェーン法を取り上げました。

◆クラッシング
今回は、タイム知識エリアのスケジュール作成のツールと技法であるクラッシングを取り上げます。

クラッシングとは、アクティビティ間の依存関係(順序関係)を変えることなく、全体のプロジェクト期間を短縮する方法です。一般的にはより多くの資源を投入することが多いため、コストはどうしても増加してしまいます。PMBOKでは、コストとスケジュールのトレードオフを分析し、最小のコストの追加で最大の期間短縮を得る方法であり、例えば、クリティカル・パスのアクティビティに資源を追加するとあります。

クリティカル・パスとは、パス上のアクティビティに遅延があった場合、その遅延がプロジェクトの遅延に直結するアクティビティを並べたものです。
通常、アクティビティの依存関係を決定し、ネットワーク図を作成して、クリティカル・パスを求めます。

コストとスケジュールのトレードオフは、クリティカル・パス上のアクティビティにおいて、資源を投入することによるコストの増加と短縮できる期間を見積り、クラッシングコストを次の計算式で算出します。

 クラッシングコスト = 「コストの増加分」 ÷ 「短縮できる期間」

そして、最小のクラッシングコストのアクティビティを優先してクラッシングしていきます。

クラッシングすることにより、クリティカル・パスが変わってしまう場合がありますので、要注意です。また、複数のクリティカル・パスがある場合は、期間短縮のためには、すべてのクリティカル・パスに同時にクラッシングを行う必要があります。

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PMBOKは、米国PMIの商標(R)です。

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