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特別編(2007.05.01)
分けることは分かること? |
ゴールデンウィークの真っ最中ということで、読まれている人も少ないかと思います
ので、今回は特別編をお届けします。
家族が海外からのお客様を迎えるというストーリーを2つ書いてみました。まずは、
読んでみてください。
合わせる文化【ストーリー編】
分ける文化【ストーリー編】
みなさんはこの2つのスタイルをどう思いますか?
PMBOK(R)は分ける文化の代表です。まず、ブレークダウンストラクチャーと呼ばれるものです。いくつ知っていますか?
【WBS(ワークブレークダウンストラクチャー)】
これはよく知られていますね。第3版からついに、イネーブラ(ツール)ではなく、プロセスの地位を獲得した作業のブレークダウンツールです。まず、スコープを定義するときに、使います。
【PBS(プロダクトブレークダウンストラクチャー)】
開発・作成しようとするものを全体(最終製品)と部分(半製品/部品)の関係によって階層的に示した製品構成図をPBSということがあります。PMBOK(R)ではWBSがあるのであまり使いませんが、英国商務局(OGC : Office of Government Commerce)のPRINCE2ではWBSと同じように標準ツールになっています。
【CBS(コストブレークダウンストラクチャー)】
プロジェクト費用を詳細に区分して階層構造で表現したコスト構成図のことです。通常は、WBSを使ってコスト構造を明確にしますが、ジョイントベンチャープロジェクトなどで、母体企業の管理会計の原価体系と、プロジェクトのコスト構造を変えたい場合には、CSBを使ってコスト構造を明確にします。
【OBS(オーガニゼーションブレークダウンストラクチャー)】
プロジェクト組織を詳細に区分して階層構造で表現した組織構成図のことで、通常は体制図と呼ばれ、プロジェクトのアカウンタビリティのベースになります。
【RBS(リソースブレークダウンストラクチャー)】
プロジェクトで必要となるリソースを階層構造で表現したプロジェクト資源構成図のことです。PMBOK(R)では、OBSの特殊ケースとして、WBSで展開した要素が、組織ではなく個人に割り当てられるときに使うツールです。
【RBS(リスクブレークダウンストラクチャー)】
もうひとつのRBSです。リスクを分類体系に従ってブレークダウンした図のことです。リスク識別の際に使われるツールです。
このほか、あまり使われませんが、プロジェクトをサブプロジェクトの構造に分けてブレークダウンしていくSBS(ストラクチャーブレークダウンストラクチャー)、あるいは、PBS(プロジェクトブレークダウンストラクチャー)といったプロジェクトデザインのブレークダウンツールもあります。
これらのツールがマネジメントの基礎になっていますので、PMBOK(R)はまさに分ける文化を象徴するマネジメントだといえるでしょう。
プラグマティズムの中心的な思想のひとつに「分けることは分かること」というのがあります。これからも、特に米国の文化には、分かることの重視傾向が強いことが分かります。
一方で考えておきたいことは、コミュニケーションマネジメントの位置づけです。
コミュニケーションとは分かり合うこと(相互理解)、「思想、意見、情報を伝達しあい、心を通じ合わせるプロセス」です。「思想、意見、情報を伝達しあう」部分では分けることは非常に重要なプロセスです。ところが、これは後半の「心を通じ合わせる」プロセスの阻害要因になることがあります。
要は、バランスの問題なのです。ブログに少し書いていますが、「狩猟のできる農耕民族」というのはこのバランスなのだと思います。
バランスをとるための最大の武器はコミュニケーションマネジメントです。コミュニケーションマネジメントのスキルを身につけましょう!
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著者紹介
好川哲人、MBA、技術士 株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
20年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「コンセプチュアル・マネジメント(無料)」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。
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