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第84回(2005.10.05)
チーム指向(1) |
ブログに書いたが、日本人はプロジェクトの形態として、ワーキンググループを選ぶことが多い。
日本にチームは必要ないのか?
オハイオ州の小学4年生のために作られた学力測定テスト(社会科)に以下のような問題があったそうだ。
問1 オハイオ州において、法律を作るのはどの部門か
(1)司法
(2)行政
(3)立法
問2 次の3人のうち、「消費」をしているのは誰か?
(1)イヌの散歩をしているカルメン
(2)新しいシャツを買っているジャリール
(3)ベースボール・カードを整理しているデール
問3 ひとつの仕事(例えば家の建築)に数名で取り組む場合、この仕事はおそらく
(1)1人でするよりも早く終わる
(2)1人でするよりも時間がかかる
(3)終わらない
(リチャード・ハックマン「ハーバードで学ぶ「デキるチーム5つの条件」より引用)
この問題がレベルで並んでいるところが面白い。答えはもちろん、(1)であるが、みなさんはどれが正解だと思われますか?
実は、この本は3年くらい前にでた本で、つい、最近、日本語版が出たのだが、原書でこの話を知り、内容を変えて何度もセミナーのときにたずねている。ご想像のとおり、無条件に(1)だという答えはまずない。直感的には(3)が多いようだ。次に、多いのが(2)というわけだ。
では、(1)を選ぶ場合の条件はなにか。いくつか典型的な答えがある。
・分担をきちんと決めれば(1)
・強力なリーダーシップがあれば(1)
・簡単な仕事であれば(1)
といった答えである。確かにいずれも正しいと思う。特に一番目や二番目はそのとおりだなと思う。一方で、この答えを見ていると、チームメンバーが自分の意思で仕事にコミットすることはないという答えでもある。つまり、
・誰かが分担を決めてくれれば
・誰かがリーダーシップを取ってくれれば
という期待がある。これもまた、現実だと思う。この背景には、ワーキンググループというものの考え方がある。詳しくはブログを見てほしいが、要するにワーキンググループというのは作業ラインのようなものである。分業をして、自分の分は確実にやることによって、プロジェクトの目標を達成するという考え方だ。
ところが、ワーキンググループではまずい点がある。それは、メンバーの現状能力を超えた課題を解決せざるを得なくなったときである。簡単にいえば、2人で3人分の仕事をしなくてはプロジェクトが完遂しない場合である。多くの組織では、このような状況では
・竹やりを持って前に進む
・リスクが大きいといって止める、あるいは、人数を3人にする
のいずれかの選択をしていることが多い。これで本当によいのだろうか?
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著者紹介
好川哲人、MBA、技術士 株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
20年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「コンセプチュアル・マネジメント(無料)」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。
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