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第13回(2003.11.20)
PMコンピテンシって?!(2) |
◆PMコンピテンシーの構造
前回、営業マンとの比較で、PMの行動様式の分析をしてみた。
その構図を逆に見ると、プロジェクトマネージャーが行動できるためには、
・行動力(コンピテンシー)
・ノウハウ
・理論と知識
があることになる。
さて、この構図の中で、まず、PMBOKはどこに相当するのか?理論や知識である。つまり、PMBOKやPMBOKベースのプロジェクトマネジメントスキームでプロジェクトマネジメントを行うためには、知識の適用ノウハウや、プロジェクトマネジメント行動ノウハウが必要だ。そして、そのノウハウ(メタ知識)を行動に移すためには、人間的な特性が必要だ。
PMBOKのPMコンピテンシーでは、これらを
・パーソナルコンピテンス
・パフォーマンスコンピテンス
・ナレッジコンピテンス
と読んでいる。つまり、プロジェクトマネージャーがプロジェクトマネジメントをできるには、この3つのコンピテンスが必要だと言っている。
普通の言葉でいえば、
パーソナルコンピテンス=コンピテンシー
パフォーマンスコンピテンス=スキル
ナレッジコンピテンス=知識
である。
◆アンチPMBOK
このような捉え方も一つの見識であるが、別の捉え方もできる。
それは、すべては行動に現れるという考え方である。プロジェクトマネジメントといえども、要はマネジメント行動ができ、プロジェクトをうまくまわせればいいのだ。その行動の根拠や背景になっているのが、理論であろうが、直感であろうが、違いはないという考え方もできる。これは結果オーライという意味ではなく、
望ましいマネジメント行動をできる
できるのであれば、理論を背景にしようが、KKD(勘、経験、度胸)を背景にしようが同じだという意味である。
このように考えると、プロジェクトマネージャーに必要なコンピテンシーは、PMCDでいうところのパーソナルコンピテンスだけだ。m&tPMコンピテンシーはそのような考え方になっている。
一つの例として、m&tコンピテンシーモデルにある「戦略指向性」というコンピテンシーを考えてみよう。リスクマネジメントの理論を知り(ナレッジコンピテンスを持ち)、パフォーマンスコンピテンスがあれば、戦略指向性というコンピテンスを持った行動ができる。しかし、ひょっとすると、リスクマネジメントを知らなくても、深く考えて、同じ行動ができるかもしれない。
実際問題として、ORの多くの手法は数式モデル型のアプローチであるが、これに対して、同等な定性モデル型のアプローチが存在することが多い。平たく言えば、論理的に考えていけば、同じ答えが出せるということだ。
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