第6回(2005.11.23) 「バリバリプロジェクトマネージャーの奮戦記」
〜チーム力向上〜
バリバリ プロマネ塾  小池 浩之
 


** 登場人物紹介 *****************************************************
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* 西 :新米プロジェクトマネージャーとしてプロジェクト推進中                *
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* 山田:西のプロジェクトで、Aチームを担当しているリーダー                 *
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* 須藤:ベテランプロジェクトマネージャー。西の先輩であり師匠               *
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* 神田部長:西、須藤の所属する部署の部長                        *
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「西さん」
「やぁ、山田君か、どうした?」

「西さん、気がついてますか?最近のAチームの進捗状況」
「あぁ、見えてるよ。かなり疲れてきてるのかな」
「そういえば、さっき、若杉君が、体調が優れないので、早退すると言っ てたよ、山田君が会議中だったようなので、OKしてしまったが・・」
「それは、大丈夫です。ありがとうございます。」

「でも、進捗そのものは、それほど極端に遅延もしてないだろうし 他チームも同じくらいでキャッチアップ可能な範囲じゃないの?」

「まぁ、確かに、進捗そのものは、そうなんですが・・・」

「んっ、どうした?」

「実は、以前から比べると、チームの雰囲気があまりよくないんですよ」

「具体的に問題が発生したりしてるの?」

「チーム全体がなんとなく、ギクシャクしちゃってるんですよ。
 先ほど、早退した若杉なんですが、だいぶ仕事ができるようになって 若い連中のリーダー的存在になってきたところなのですが、後輩の失敗を厳しく批判する場面が何度かあり、周りが敬遠し始めたので、 本人も、それにうすうす感じ始めてるのだと思います。彼の指摘している内容は、もっともなことなんですが」

「そうか、若杉君がチームワークを乱している感じになっているのかな」
「チームの力って、確かに一人一人の能力が高いに越したことは無いんだけど突出しちゃうとチームワークが乱れるんだよね」

「それで、彼とは、話をしてみたの?」

「ええ、コミュニケーションの取り方であるとか、全体の進め方などについても説明し、あまり批判的な態度はよくないことも、言ってるんですが、その時には、理解してるのでしょうが、いざ実作業に戻ると自分のペースになっちゃうんですよね」

「そうか〜困ったね、若杉君は主要戦力のようだし、今のタイミングでメンバーを変えるのは、Aチームとしても、プロジェクト全体としてもつらいところだな」

「そうなんですよね」

「おぅ、西。なんだ、山田も一緒か、どうした深刻な話でもしてたのか」

「あっ、須藤さん、いいところに登場してくれました。実は、だいぶ実力がついてきたメンバーがいるんですが、コミュニケーションの取り方に問題があり、チームワークを乱しているらしいんです。」

「チーム全体がなんとなくギクシャクしているということで、直接の原因かどうかは、はっきりはしないのですがチームの生産性にも響いてる可能性も考えられるので、今後の対応について検討してたんです」

「そうかぁ、仕事ができるようになってくると、多少偉そうな態度をとりたくなる者もいるからな。でも、チームワークであるとか、チームの雰囲気は、そのメンバーが乱しているんじゃないと思うぜ。」

「おまえら2人が乱しているのさ」

「えっ、どういうことですか?」

「だって、その要員は、仕事が出来るようになってきたんだろ。」

「ええ」

「だったら、ちゃんと認めてやればいいじゃないか。」



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プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダーの役割とはチームが実施すべきプロセスを管理して、そのチームの成果が最大限発揮されるように支援していくことにあります。

そして、リーダーシップのあり方も、場面に応じて使い分ける必要があります。事業の再建をしなければならない場合と、プロジェクト遂行に於いて、チームの力を最大限に発揮させたい場合では、当然違っていてしかりです。

前者の場合は、強制的なリーダーシップを発揮する必要があるでしょうが、後者の場合では、コーチ型なり指導型といった、まず、一人一人の能力を引出すことに重点を置いた上で、統一の目標、ビジョンに対する行動を促すことが必要です。

仮に、仕事が出来るエースがいるのであれば、他のメンバーを牽引していく役割をさせることで、他メンバーも刺激されチームが活性化するし、エースのリーダーシップも磨かれれば、個人個人の能力とチーム力のシナジー効果もあがるでしょう。

上手にコントロールできないとエースが個人プレーに走りすぎたりしてチームワークが乱れ、人間関係が悪くなったりします。

団体スポーツでも、一人のスーパープレーヤーが、他メンバー全員の能力を引き上げたり、それまで、なんとなく、かみ合わなかったプレーが、一人のスタンドプレーから雰囲気をがらっと変え、思うように動き始めるということがあります。

個人個人の能力を十分に発揮させチームのシナジー効果を上げられることが今後のマネージャー、リーダーには求められます。
そして、チーム力を向上していくには、やはり、メンバー一人一人のモチベーション、感情をコントロールし、チーム全体のベクトルをあわせることが重要です。

個人個人を互いに認め合い、尊重できるチーム作りをしましょう。



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「分かりました。確かに、彼の成長は感じていたものの、次へのステップアップについては、考えてませんでした。彼の権限で推進できるものを考えてみます。」

「それがいいだろう。そして、バックアップしてやればいい、もしも、表現の仕方で、他のメンバーから反感を買っているようならば、
 “今後、もっといい仕事をしていく為には、これからの成長過程で、直していかないとだめだ”
 ということを、指導してあげることだよ」

「また、Aチームだけではなくチーム間でもシナジー効果が生まれるようになるのが理想だな。雰囲気というのは、良くも悪くも伝染するものだから、それは、プロジェクトマネージャーである西の仕事だな」



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バリバリプロマネ塾 小池 浩之

 各社の情報システム構築にプロジェクトマネージャーとして携わる他ITコーディネータとして地域活動を通じIT化を推進、支援。
 また、これからのプロジェクトマネージャーに必要な能力を身に付ける一助として先人のノウハウ継承をすべく
 メルマガ「バリバリプロジェクトマネージャーになろう!」を発行中

      
◆最後に
 6回に渡り「バリバリプロジェクトマネージャーの奮戦記」を掲載させて頂き、読みにくい点も多々あったと思いますが、お読み頂いた読者の皆様に感謝いたします。
 ありがとうございました。


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