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第1回(2005.06.17) 「バリバリプロジェクトマネージャーの奮戦記」
〜バリバリプロジェクトマネージャー誕生〜
バリバリ プロマネ塾 小池 浩之 |
「バリバリプロジェクトマネージャーの奮戦記」 第1回 小池 浩之
** 登場人物紹介 *****************************************************
* *
* 西 :新米プロジェクトマネージャーとしてプロジェクト推進中 * * *
* 須藤:ベテランプロジェクトマネージャー。西の先輩であり師匠 * * *
* 神田部長:西、須藤の所属する部署の部長 * * *
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「お〜い、西いるか〜」
「なんですか、須藤さん」
「おう、西、おまえA社のプロジェクトやることになったんだってな」
「そうなんですけど??」
「なんだ?、なんか問題でもあるのか」
「いえ、そもそもなんで、神田部長は俺にやらせようとしてるのか??
最初は須藤さんがやると思ったんですけど・・須藤さんじゃなくても他に俺より開発経験のある奴がいるのに・・と思いまして」
「そんなことか、部長には俺が推したんだよ」
「へぇ〜そうなんですか?でもなんでですか?」
「たしかに、同期の中でもおまえより開発経験のある奴はいるよな。でもよ、プロジェクトマネージャーって多少の経験で身に付けた知識だけじゃダメなんだよ!そういう意味からするとプロジェクトマネージャーとしての経験を競うのであれば、みんな同じだと思うぜ・・
その中で、西は管理者としてバランスがいいと俺は思ってるんだよ」
「開発のスキルもいまいちだけど、西にはまだ弱いところが、あるということを自分で認識して身に付けないとな!」
「西は、会社で偉くなりたいとか、目立ちたいとか思わないか?」
「あんまり思ったことないですね」
「そうだよな。そこが、いいところだけど、弱いところさ。」
「これからも、IT業界では、プロジェクトマネージャーは間違いなく必要とされる。
”できるプロジェクトマネージャー”がだぜ!」
「西なんかには、解らないと思うけど神田部長がプロジェクトマネージャーとして活躍していたころというのは、銀行オンライン開発の最盛期から、各業界でもコンピュータ化と言って相次いで導入してきた時代を、勘と経験で牽引してきたところがあってな、でも、2007年問題って言われるように経験知というか暗黙値というか、所謂ノウハウというものが、十分継承されずに引退を迎えようとしている」
「でも、当社だって『PMBOK』を導入して知識習得に取り組んでるじゃないです
か」
「確かに、標準知識体系の導入、教育によって、だれでも一定の品質でプロジェクトの運営を可能にしようと試みてきたけどよぉ、現在の技術進歩と、システムの複雑化、コストの縮小、短納期化に対して、対応策にはなっていなくて、逆に赤字プロジェクトは増加する一方なんだぜ、特にビッグプロジェクトになると、成功したという事例を聞いたことがないだろう」
「本当に能力のあるPMっていうのは、マネージメント知識以外のセンスが必要で、このセンスを磨かないとでっかいプロジェクトはやっていけないんだよ」
「そこで、さっきの話だけど、偉くなりたいとか、目立ちたいということはある意味必要なことなんだよ、大抵の場合、組織上の権限だけでプロジェクトを推進することになる。当然権限があったほうが、スムーズに進められるし、社内で顔が利いたほうが、調整がしやすい。だから充実したプロジェクトをやりたければ、上昇志向は、大事なことだし、内に秘めて自分の将来像を描くと、必ずそういう日が来るものなんだよ」
「それにしても、知識以外のセンスを磨くというのは難しいですよ」
「それでだ、まずは、自分の力を棚卸してみろよ!」
「その上で、西のプロジェクトマネジメントについては、俺が昔、教わったように、コーチしていってやるからさ」
「俺もさ、今の神田部長にプロジェクトマネージメントを教わったんだよ。その時の開発規模は小さくて、技術スキルも自分としては正直言って、自信があった。にも関らず・・
恥ずかしながら、何一つ満足に出来なかったんだよ。なんせ、お客様との最初の会議の議題すら決められなかったんだからな」
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◆プロジェクトマネージメントの知識はどれだけあるのかチェックしよう
マネージメント手法について、現在、国際標準の1つとしてPMBOK が位置付けられています。
PMBOKというのは、米国PMI(Project Management Institute)によ って提唱されたもので、プロジェクトをマネージメントしていく上での 知識をプロジェクトの推進手順に沿って体系的に纏められたものです。
【参考】PMI東京(日本)支部 ( http://www.pmi-tokyo.org/ )
書店に多くの書籍が並んでいますので、一読してみるといいですよ。 分からない、知らないということに気づくことも必要です。
知識習得となると、PMBOKも資格試験がありますし、国家試験もそう ですが、取得を目指して勉強するというのはいいことですよ。
但し、知識は使う為に習得するということを忘れてはいけません。
試験結果に関係なく、勉強の成果は少なからず、実践で役に立ちますし 資格を持ってないとPMになれないわけではありません。
世の中には、資格を持っていないけど、バリバリにPMとして活躍してい 人は大勢いますので、ご安心を・・・但し、このような人は、自分の価値を高める為にしっかり勉強していることを忘れないでください。
◆プロジェクトマネージャーとしての能力はどうか正直言って非常に難しい課題です。
例えば、あるプロジェクトが成功すれば、そのプロジェクトマネージャーは能力があるのでしょうか?
失敗したプロジェクトのマネージャーには能力が無かったのでしょうか
違いますよね!
この能力のことをPMコンピテンシーと言ってます。
この "コンピテンシー" と "能力" では、ニュアンスが少々違う気もしますが、同義に捉えてしまいましょう。
ここで、プロジェクトマネージャーとしてのコンピテンシーは、というと
“知識と経験によるスキル”、“管理者能力と行動特性による個人特性”
ということになります。
(参照 http://rodis.fc2web.com/story/cnptncy.htm)
中でも、重要な要件を挙げるなら、やはり、ヒューマンスキルということになります。
リーダーシップ、統率力、管理バランス、コミュニケーション力、さらには、外向、内向の性格など心理学的な話をすると
(関係ないですね、失礼しました。)
能力の要素を分類し、各能力ごとに点数をつけてもプロジェクトの成否は分からないし、PMとしての能力判断をすることも意味はありません。
コンピテンシーとして、何が必要とされるかではなく、自分自身、成長しながら、今、ベストな判断でプロジェクトを前進させられることです。
ちょっと精神論的になってしまいましたが、各能力を磨くのは、経験です。
プロジェクトの経験って意味ではなく、人生とか、社会の経験を積み自分を築いていくことが必要ということです。
コンピテンシーのベースにあるのは、人間性ですよ!
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「西よう、プロジェクトマネージャーには、マネージメントの知識と、プロジェクト推進、または、マネージメントの為のコンピテンシーが要求されることは分かったと思う。」
「プロジェクトマネージャーというのは、SEの延長線上にあって、SEとは全然違う能力が必要ということで、俺は、1つの職業だと思っている位なんだよ」
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バリバリプロマネ塾 小池 浩之
各社の情報システム構築にプロジェクトマネージャーとして携わる他 ITコーディネータとして地域活動を通じIT化を推進、支援。 また、これからのプロジェクトマネージャーに必要な能力を身に付ける 一助として先人のノウハウ継承をすべく
メルマガ「バリバリプロジェクトマネージャーになろう!」を発行中
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