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第14回(2005.01.05)
習慣化(4)〜「目的を意識する習慣」をつける |
今回から一つ一つの習慣について、習慣づけの方法を説明していく。
まず最初は「目的を意識する習慣」についてである。この習慣は自己責任の習慣ともいえる。自らが常に責任をもてる行動をするためには、目の前の状況に左右されるのではなく、常に目的に立ち返って判断をし、その判断に基づく行動をしていかなくてはならない。
◆習慣による行動イメージ
最初にこの習慣が身につくことによってどのような行動が期待されるかということを確認しておこう。この習慣が身につくと、
何か判断に迷う状況に直面したときに、目的を意識的に思い出し、その目的達成のための自分の責任を確認し、自分の責任を全うする行動をとる
という行動を取れるようになる。例えば、
スケジュールが遅れ気味だか、現在までのコストがオーバーしている。要員を追加投入したいが、投入すると確実にオーバーする
という状況におかれたときに、あなたならどういう行動をとるだろうか?(この状況に自分の経験による肉付けをして実際に考えてほしい)
◆習慣化のツール
「目的を意識する習慣」の習慣化のツールとして、目的管理シートの導入をお勧めしたい。目的管理シートはプロジェクトの中で何らかの判断が必要な局面に遭遇したときに
ステップ1 プロジェクトの目的を再確認する
ステップ2 目標を設定する
ステップ3 行動を計画する
ステップ4 行動する
ステップ5 目的への貢献の評価
の5つのステップを意識的に実行することによって「目的を意識する」ことを習慣化しようというものである。
まず、プロジェクト憲章に戻って、プロジェクトの承認者の認識するプロジェクトの目的が何であったかを確認する。これがスタートになる。
次に、プロジェクトの目的を達成するために設定できる目標(中間ゴール)は何かをもう一度考え直してみる。目標が設定できたら、その目標に向かっての計画を作る。
計画ができれば、計画に忠実に行動する。最後に目標が達成できたかを評価し、達成できていない場合には何が障害になっていたかを分析する。
そしてそれらの評価を踏まえて、目標がどれだけ目的にフィットしたものになっていたかを評価する。この評価が目的に対する貢献度ということになる。
これをプロジェクトの意思決定の要所で行うことにより、「目的を意識する習慣」を身につけることができる。
◆例
さて、それでは上の例を使って、このステップを説明しよう。
ステップ1 プロジェクトの目的を再確認する
→ このプロジェクトの目標は商品売価に影響を与えないコストで、法制対応をすることだった
ステップ2 目標を設定する
→ 上市時期の2ヶ月スリップを営業に依頼し、対応してもらう
ステップ3 行動を計画する
→以下の4つの行動を計画した
・確実なスケジュールの再見積もり
・2ヶ月の遅れがシェアに影響を与えない根拠作り
・営業の説得資料作成
・説得
ステップ4 行動する
→ 計画に従って、行動した
ステップ5 目的への貢献の評価
→ 営業は1ヶ月であればマーケティング費用に影響がないということで承認。目的は達成できた。
◆コンピテンシー
このように目的管理シートを使って行動をしようとすれば、
アカウンタビリティ、実行力、問題解決力
のコンピテンシーが必要である。逆にいえば、目的管理シートというツールを利用して、これらのコンピテンシーを向上させることができる。
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◆お奨め図書
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