プロセス1:プロジェクトを立ち上げる
■ちょっと立ち読み

『ステークホルダの特定とリスクの想定』

◆リスクの源泉

 計画が作られる前のプロジェクトの立ち上げの段階で、すべてのリスクを見極めて、備えておくというのは不可能だ。

 そこで、プロジェクトの立ち上げを行う段階でのリスクの見極めは「人や組織」に注目して行うとよい。

 そのためにはステークホルダ(利害関係者)の洗い出しを行い、ステークホルダごとに考えられるリスクの洗い出しを行うのが有効である。

http://www.pmos.jp/juku/pmos-pro/process1/stakeholder.htm
(※パスワードがかかっているのでダイジェスト版ではアクセスできません)

に、このケースでのステークホルダの洗い出したものをあげる。このフォーマットは弊社で使っているものである。

◆ステークホルダの洗い出し
 ステークホルダの洗い出しのコツのようなものを少し述べておく。まず、必ず、でてくるステークホルダがある。これには

 ・顧客
 ・プロジェクト実施組織、企業のマネージャー
 ・スポンサー
 ・プロジェクトマネージャー

などがある。まず、これを真っ先に洗い出す。その上で、構想レベルで、プロジェクトのシナリオを書いてみる。シナリオを書く手順は以下のようなものがよい。

 (1)スコープの限定
 (2)ワークパッケージレベルの作業の洗い出し
 (3)時間軸での統合
 (4)(2)、(3)の洗練

 まず、スコープを限定しておく。この時点ではスコープ定義ほど、厳密なものである必要はない。このケースだとステーショナリネットの開発・運用といったものでよい。その上で、大まかにどういう作業が必要になるかと洗い出していく。ここで大切なことは計画を作っているわけではないので、この時点で時間軸を考えないこと。そして、最後に時間軸で統合する。このような手順でよい。

 シナリオができたら、それぞれの作業の中で登場してくるステークホルダを考えてみると割と簡単にステークホルダを洗い出せるだろう。
(2003/05/13号より)


■5月号(プロセス1) 目次

> 2003/05/01 アクティビティ1 プロジェクトのコンセプトメイキング
◆プロジェクトの目的とは?
◆プロジェクトのコンセプトを決める

> 2003/05/08 アクティビティ2 成果の定義とプロジェクト憲章の策定
◆成果の定義
◆成果はプロダクトだけではない
◆プロジェクトの評価
◆プロジェクト憲章の内容
◆プロジェクトマネジメントOS本舗関連記事一覧

> 2003/05/15 アクティビティ3 ステークホルダの特定とリスクの想定
◆思い通りの成果を得るために
◆リスクの源泉
◆ステークホルダの洗い出し
◆リスクの見極めと対策の立案

> 2003/05/22 アクティビティ4 プロジェクトのキックオフの留意点
◆なぜ、プロジェクトマネージャーを決定するタイミングが難しいか?
◆プロジェクトマネージャー決定のタイミングで変わってくるもの
◆再び、プロジェクト憲章について
◆大規模なプロジェクトでは
◆プロジェクトのキックオフ
◆まとめ

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