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第2回(2005.02.09)
これは使えるぞ!PMBOK3(2):変更されたプロセス |
◆PMBOK3で変更されたプロセス
今回は変更されたプロセスについて記述します。プロセスの数としては、2プロセス削除、7プロセス追加され合計39プロセスから44プロセスに増えています。
◆削除されるプロセス
立ち上げプロセス群の「立ち上げ」と終結プロセス群の「完了手続き」が削除されています。それぞれ代わりに「プロジェクト憲章作成」と「プロジェクト・スコープ記述書暫定版作成」、「プロジェクト終結」が追加されています。
■立ち上げプロセス群で追加されるプロセス
立ち上げプロセス群の唯一のプロセスであったスコープ知識エリアの「立ち上げ」が削除され、統合知識エリアの「プロジェクト憲章作成」と「プロジェクト・スコープ記述書暫定版作成」に分かれました。
PMBOK2000の立ち上げプロセス群は「立ち上げ」プロセスだけで寂しかったので、なんだか少し嬉しいです。そして、プロジェクトの土台を決めるプロジェクト憲章を作成する重要なプロセスなのに、スコープ知識エリアを意識するだけで大丈夫なのかな、とも思っていましたので、これで、一安心です。(何が安心かというと立ち上げプロセス群の説明で、すべての知識エリアを統合しているということでお話できることです。スコープ知識エリアだけでは少し、苦しかったので)
PMBOK3では立ち上げプロセス群と終結プロセス群を強調していまして、PMBOK2000の終結プロセス群の「完了手続き」(コミュニケーション知識エリア)が削除され、「プロジェクト終結」(統合知識エリア)が追加されています。
また、スコープ記述書の作成が計画プロセス群から立ち上げプロセス群に一部移動し、「プロジェクト・スコープ記述書暫定版作成」になっています。
■計画プロセス群で追加されるプロセス
計画プロセス群ではスコープ知識エリアの「WBS作成」が追加されています。これで、PMBOK2000の「スコープ定義」(スコープ知識エリア)がPMBOK3では、「プロジェクト・スコープ記述書暫定版作成」(統合知識エリア)、「スコープ定義」(スコープ知識エリア)、「WBS作成」(スコープ知識エリア)の3つに分かれました。結果として、
「立ち上げ」
↓
プロジェクト憲章
↓
「スコープ計画」
↓
スコープ記述書、スコープ・マネジメント計画書
↓
「スコープ定義」
↓
WBS
というPMBOK2000の図式が、次のように変わりました。
(少し省略しています)
「プロジェクト憲章作成」 「プロジェクト・スコープ記述書暫定版作成」
↓ ↓
プロジェクト憲章 プロジェクト・スコープ記述書暫定版
↓ ↓ ↓
「スコープ計画」 ↓
↓ ↓
スコープ・マネジメント計画 ↓
↓ ↓
「スコープ定義」
↓
プロジェクト・スコープ記述書
スコープ・マネジメント計画書(更新版)
↓
「WBS作成」
↓
「WBS」
そして、スコープ・マネジメント計画書は、主にスコープ変更のマネジメント計画書でしたが、「スコープ定義」、「WBS作成」、「スコープ検証」、「スコープ・コントロール」のスコープ知識エリア全般のプロセスにおいて、計画をマネジメントする計画書の位置づけとなりました。
■実行プロセス群で追加されるプロセス
今回の変更ではありませんでした。
■監視コントロール・プロセス群で追加されるプロセス
監視コントロール・プロセス群では、統合知識エリアの「プロジェクト作業の監視コントロール」と人的資源知識エリアの「プロジェクト・チームのマネジメント」とコミュニケーション知識エリアの「ステークホルダー・マネジメント」が追加され、監視コントロール・プロセス群ですべての知識エリアが揃いました。
■終結プロセス群で追加されるプロセス
終結プロセス群では「プロジェクト終結」(統合知識エリア)が追加され、コミュニケーション知識エリアの「完了手続き」が削除されました。PMBOK3では、統合知識エリアのプロセスが追加されることで、立ち上げプロセス群と終結プロセス群が強調されています。 |
◆お奨め図書
もちろん、PMBOK第3版の日本語版です
Project Management Instytute
"A Guide To The Project Management Body Of Knowledge: Official Japanese Translation"(2005.2) |
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