第16回(2006.03.17) 
これは使えるぞ!PMBOK3(16):調達(2)
 

◆各知識エリアで変更されたプロセス(14)
前回に引き続き、知識エリアの観点からの変更点について、特に変更されたプロセスについて記述します。

ここでは、
△:立ち上げプロセス群
○:計画プロセス群
◎:実行プロセス群
●:監視コントロール・プロセス群
▲:終結プロセス群
でプロセス群を表現しています。

■プロジェクト調達マネジメント(2)
今回は実行プロセス群から監視・コントロールプロセス群に移動した契約管理と終結プロセス群の契約終結です。

●契約管理
契約管理では、購入者と納入者との間の契約と相互の関係をマネジメントします。と、ここまでが、2000での解説でしたが、2004では、その後に次のような解説があります。

必要な是正処置を講じ、納入者との将来的な関係の基盤とするために、納入者の履行状況をレビューし、文書化します。
さらに、契約に関する変更をマネジメントします。

それでは、是正処置とは何でしょうか?
実績において計画と差異が生じた場合に、計画を変更せずに計画に実績が近づくような措置をすることです。具体的には、スケジュールが遅れている場合、差異を吸収するために計画(スケジュール)を変更するのではなく、元のスケジュールに戻るような措置、例えば、コーディングが遅れているようであれば、コーディング効率があがるようなツールを紹介する、担当者の生産効率が上がるようにプロジェクト作業外の雑務などを他の人にさせるといったようなことです。

このプロセスでは、以下のような他の知識エリアのプロセスをコントラクター(納入者)に対して行います。
・プロジェクト実行の指揮・マネジメント(統合)
 コントラクターの作業を適切な時期に認可します
・実績報告(コミュニケーション)
 コントラクターからのコスト、スケジュール、技術的な実績を監視します
・品質管理(品質)
 コントラクターから納入された成果物の妥当性を検査し、検収を行います
・統合変更管理(統合)
 変更を適正に承認し、必要な人すべてに変更を通知します
・リスクの監視コントロール(リスク)←2004で新しく追加されています
 リスクを確実に軽減するために行います

契約管理では、上記のプロセスを適用し、契約および決定した是正処置を元に、コントラクターの履行状況を査定し、記録します。

▲契約終結
契約終結は、すべての作業と要素成果物が受入れ可能かを検証することで、プロジェクト終結のプロセスをサポートします。また、プロジェクト終結で決められた契約終了手順に従って、契約を終結します。

今回で「これは使えるぞ!PMBOK3」のPMBOK2000からの変更点についてのシリーズは終了です。
来月からは新しいシリーズで月に1回程度連載します。

◆お奨め図書
もちろん、PMBOK第3版の日本語版です
 Project Management Instytute
"A Guide To The Project Management Body Of Knowledge: Official Japanese Translation"(2005.2)
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