第15回(2006.03.10) 
これは使えるぞ!PMBOK3(15):調達
 

◆各知識エリアで変更されたプロセス(13)
前回に引き続き、知識エリアの観点からの変更点について、特に変更されたプロセスについて記述します。

ここでは、
△:立ち上げプロセス群
○:計画プロセス群
◎:実行プロセス群
●:監視コントロール・プロセス群
▲:終結プロセス群
でプロセス群を表現しています。

■プロジェクト調達マネジメント
今回は、最後の知識エリアの調達です。

プロジェクト調達マネジメントは、作業の実行に必要なプロダクト、サービスなどをプロジェクトの外部から購入・取得することに必要なプロセスからなっています。

調達の知識エリアは、以下のように、契約管理以外の5プロセスの名称が変わりました。また、契約管理は実行プロセス群から監視コントロール・プロセス群に移動しています。

2000での名称→2004での名称
-------------------------------------
○調達計画   → ○購入・取得計画
○引合計画   → ○契約計画
◎引合     → ◎納入者回答依頼
◎発注先選定  → ◎納入者選定
◎契約管理   → ●契約管理
▲契約完了   → ▲契約終結

○購入・取得計画
インプットでは、他の計画からのアウトプットとあいまいな言い方だったものが、プロジェクトマネジメント計画書に変わっています。
他に、調達に要する資源や市場状況が組織体の環境要因と組織のプロセス資産にまとめられました。

ツールと技法に変更点はなく、アウトプットに内外製決定が入りました。内外製分析(ツールと技法)を行い、内外製決定をアウトプットするというすっきりした形になっています。

購入・取得計画は他のプロセスのインプットである調達マネジメント計画書(調達の方針を記載)を作成することが目的です。

○契約計画
購入・取得計画のアウトプットである調達マネジメント計画書、契約作業範囲記述書、内外製決定とプロジェクトマネジメント計画書がインプットですが、2000からの変更点は内外製決定が追加されたことです。
ツールと技法、アウトプットに変更点はありません。

契約計画は調達文書(RFPやRFQなど)とその評価基準を作成することが目的です。

◎納入者回答依頼
2000では適格納入者リストがインプットでしたが、2004ではツールと技法に適格納入者リストの作成が追加され、アウトプットに適格納入者リストが追加されました。2000では、適格納入者リストをどこで作成するのかが不明でしたが、2004では納入者回答依頼で作成するということが明確になっています。そのため、インプットに組織のプロセス資産と調達マネジメント計画書が追加されています。

納入者回答依頼は、適格納入者リストとプロポーザルを得ることが目的です。

◎納入者選定
2000のアウトプットは契約だけでしたが、2004では選定納入者と契約マネジメント計画書が追加されています。これは、選定した納入者と契約を交わし、どのように契約をマネジメントしていくかを決めるということです。

次回は、監視コントロール・プロセス群に移動した契約管理と終結プロセス群の契約終結です。

◆お奨め図書
もちろん、PMBOK第3版の日本語版です
 Project Management Instytute
"A Guide To The Project Management Body Of Knowledge: Official Japanese Translation"(2005.2)
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