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第73回(2004.12.13) 
PMstye流プロジェクト思考(4)〜付加価値を高める(1)

◆付加価値って何か
付加価値の議論をむなしいと思う人もあるだろう。受託開発型のプロジェクトではほとんどの場合、予算ありきである。どんなに素晴らしい提案をしようと、顧客が確保している予算が倍になるわけではない。自前の製品開発のプロジェクトでもそんなに状況は変わらない。中期の事業計画で事業全体の枠を決めてしまえば、いくら素晴らしいアイディアが生まれてきても、その枠のバランスを崩してまで、特定製品の資源投入をするというのは考えにくい。

(もちろん、そんな企業もあると思うが、そういってしまえば、受注型のプロジェクトでも顧客が社内的な働きかけをして、5割増しくらいの予算を確保するというのには遭遇する。生産財というのはそういう一面があるものだ)
それゆえにそのような努力はむなしいと感じている人が多いように思う。もちろん、そんなことを表立って言っている人がそんなにいるわけではないが、プロジェクトで付加価値の議論を始めると、結局、コストダウンの議論だろうという反応が多い。

そんな方に読んでほしくて書いているコラムだ。

付加価値とはなんだろうか?今回は、「戦略ノート的見解」に入る前に、少し、真っ当な話をしておく。最初、手法編でやろうと思ったが、あまりにも常識的な話であるので、やめた。次に、説明せずにやろうかとも思ったが、最近、やっているコストマネジメントのセミナーでの状況を考えるとそれも非現実的なので、とりあえず、このコラムの中で、基本だけ説明する。今回は、財務会計上、付加価値をどのように解釈すべきかが分かる人はこの先は読んでいただく必要はない。次回からの展開に期待してほしい。


◆利益の種類

付加価値の前に、利益にどのようなものがあるかをご存知だろうか?財務会計のきちんとした話をするつもりはないので、大雑把になるが、利益には

 ・売上総利益
 ・営業利益
 ・経常利益

の3種類がある。売上総利益は、売上から売上原価を差し引いた利益のことで、粗(あら)利益と呼ばれることもある。次に営業利益は売上総利益から販売費と一般管理費を除いた利益のことである。一般管理費とは、営業費と呼ばれることもあり、次のようなものをさしている。

 ・販売業務に関する費用
 ・販売手数料、広告宣伝費、運搬料等
 ・販売・一般管理業務に関して発生した人件費
 ・販売・一般管理業務に関して発生した諸費用
 ・交際費、旅費、光熱費等

などである。
3つの目の経常利益とは、営業利益に営業外収益を加え、さらには営業外費用を除いたものである。営業外収益というのは、

 ・預貯金や貸付金の利息
 ・株式の配当金などである「受取配当金」
 ・投資の持分費に応じて得られる利益配分

などである。実際の財務決算はこれ以外に、特別損益とか、税金の処理をしたものになるが、事業を評価する場合にはこの3つを見ておけばよい。


◆財務諸表でいう付加価値とは

まず、大雑把にいうと、付加価値とは

 売上高―外部購入費用(当社が外部に支払うお金)

のことであるが、付加価値という言葉は、財務諸表には出てこない。何らかの利益が対象になっていることは間違いないが、では、どの利益が対象になっているのか?

実は付加価値という概念は決まったものがあるわけではなく、それぞれの企業が会計管理上、設定する指標であり、上のような財務会計の概念ではなく、管理会計の概念である。ちなみに、財務諸表から付加価値を計算するとすれば、人件費、賃借料、租税公課、支払特許料、減価償却費、営業利益を足したものになるが、まあ、こんな面倒な付加価値の設定をしている企業はそんなにはないだろう。

ということで、会計の話をするつもりはないのだが、まずは、ここを押さえておいてほしい(ついでに、プロジェクトマネージャーを名乗るのであれば、今回書いた財務会計のいろはくらいは知っておいてください)。

では、プロジェクトにおいては、付加価値をどのように定義すればよいのだろうか?次回はこれを考えてみるが、上の記事を読んで、ぜひ、ご自分でも考えておいてほしい。

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著者紹介
好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
20年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料)」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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