 |
第28回(2004.07.22)
リーダーを目指す |
◆ポイントはリーダーシップにあり
プロジェクトマネージャー養成マガジンは2002年12月の「ニューウェーブプロジェクトマネジメント」宣言以来、一貫して、単なるプロジェクトマネージャーではなく、リーダーを目指すことを提唱している。
本メルマガも創刊から2年経過したので、このあたりで再度、明確な方向性を出して行きたいと思っている。
プロジェクトマネジメントの仕組みを導入した多くの企業がぶち当たっている壁がある。「プロジェクト(マネジメント)がうまく行かない」という壁である。多くの企業がこの壁に対して、プロジェクトマネジメントの問題だとして、
・より実践的・専門的なプロジェクトマネジメント知識
・ヒューマンスキル(コミュニケーション、ネゴシエーション、リーダーシップ)
などのテクニカルスキルの習得により乗り越えることを目論んでいる。これらの取り組みは、うまく融合されれば一定の成果が期待できる。
融合する際のポイントになるのがリーダーシップである。上の説明は世の中の認識に沿っているので誤解を与えるかもしれないが、そもそも、リーダーシップというのはスキルではない。「課題達成のために、他者に影響を与える行動」である。
リーダーシップを実現するためには、コミュニケーションスキルのようなテクニカルなスキルと同時に、価値観のようなマインドシップが必要である。
◆マネジメントとリーダーシップ
マインドシップが関係してくる限り、リーダーというのはスキルを身につければなれるものではない。もうひとついえることが、スキルではないので、リーダーシップというのは画一的なものではありえない。一例をあげれば、同じ組織にいて、同じ仕事をしていても、カリスマ的に人を引っ張っていく人と、裏方に徹してお膳立てをして人を動かす人が、同じくらいの成果を挙げていることは決して珍しくない。個性である。
マネージャーを目指すというのは、パワー(権力)を前提にして、他者に合理的に影響を与えるスキル(技)を習得することが中心になる。ここでは、手法やツールが重要な役割を果たす。リーダーを目指すということは自分が他に影響を与えるスタイルを確立していくということである。
パワーなしに人に影響を与えることのできる方法というのはそんなに多くはない。まず、新しいアイディアを取り入れる必要がある。それはプロジェクトの進め方でもいいし、成果物の構成方式でもいい。クライアントへ提供する価値でもいいし、ものの考え方といった抽象的なものでもよい。もちろん、価値観でもよい。「何か」が変わらない限り、他者に影響を与えることはできないだろう。
その上で、自分も含めて関係する人にそのアイディアの実現に取り組み意義や目的を見つける必要がある。そして、そのビジョンの実現に本当に参加できるようにコミュニケーションを実行していくことだ。
このようなプロセスを実行していくスキルを身につけて初めて、リーダーになること、リーダーシップを発揮することができる。
◆リーダーにマネジメントは不要か
ただし、これだけでは不十分である。世の中の「似非」リーダーはここまでは大体うまくやる。しかし、成果がでない。なぜか?マネジメントが欠如しているからだ。つまり、実行しようとしたときには、資源の調整が不可欠であるし、具体的な行動目標(計画)を設定し、それを達成するための管理が不可欠である。ここが(プロジェクト)マネジメントの領域である。
つまり、リーダーはプロジェクトマネジメントができる必要があるのだ。ニューウェーブプロジェクトマネジメントと呼んでいるものは、リーダーシップのプロセスそのものである。
◆リーダーを目指すのか、マネージャーを目指すのか
最後に、この問題について述べておく。理屈は言わない。ニューウェーブプロジェクトマネジメントを身につけ、リーダーを目指そう!プロジェクトマネージャー養成塾はプロジェクトマネジメントリーダー養成塾に脱皮中です。リーダーシップに興味のある方は、注目です!
http://www.pmos.jp/juku/index.htm
現在のところ、単なるプロジェクトマネージャーではなく、プロジェクトマネジメントリーダーと呼ぶ、リーダーを目指すためのトレーニングプログラムを提供しているが、今後、もう少し、積極的に展開していく予定だ。詳しい日程などは、サイトよりお問い合わせいただきたい。
http://www.pmos.jp/juku/competency/list.htm
|
スポンサードリンク |
|
|
読者からのコメント |
|
|
■本稿に対するご意見,ご感想をお聞かせください.■
■は必須入力です
|
|
このコンテンツは「プロジェクトマネージャー養成マガジン」としてメルマガで配信されています.メルマガの登録はこちらからできます. |