タイトル PMプロジェクトマネジメント cover
原著タイトル  
著者 中嶋秀隆
出版社 日本能率協会マネジメントセンター
出版年(原著出版年) 1998 価格 2000円
書評   本書はISO10006に基づいたプロジェクトマネジメントの流れを実践的に解説している入門書である。プロジェクトマネジメント導入を具体的に検討している人にはお薦めの1冊である。
 本書では、プロジェクトマネジメントを「発足と目標の明確化」、「計画」、「実施と管理」、「まとめ」の4つの段階に分け、さらにそれぞれを細分化し、全体として10のステップに分けている。そして、それぞれのステップでの基本的な作業を具体的なドキュメントの例示をしながら解説するとともに、最後にワークとして実際にそのステップを行ってみることによってより理解を深めるという構成をとっている。セミナーで使う本としての構成だと思うが、十分、自習可能な内容にもなっている。具体的なプロジェクト課題を持つ人がこの本を読みながらブレークダウンしてみると、意外と簡単にプロジェクトマネジメントの導入が可能になるだろう。
 また、説明は非常に簡潔、かつ論理的であるが、内容は非常に含蓄がある部分が多い。おそらく、著者の豊富な経験のなせるワザであろうが、プロジェクトマネジメントの習熟者が読んでも、気づくことのある一冊である。
評価 レベル 入門 お奨め度 ★★★★

プロジェクトマネジメント技法(2)

タイトル 成功するプロジェクトマネジメント cover
原著タイトル  
著者 伊藤健太郎
出版社 中央経済社
出版年(原著出版年) 2001 価格 1800円
書評  本書は現在(2002.4)日本で出版されているプロジェクトマネジメントの入門書としてはもっとも体系的な書籍である.
 著者独自のプロジェクトマネジメントプロセスを定義,計画,実施,終了の4つのプロセスとして捉え,核各プロセスで必要な知識を過不足なく説明している.この部分は分かりやすく,プロジェクトマネジメントの全体像を把握するには最適である.
 さらに本書はこの他にも2つの特徴がある.ひとつはチームマネジメントについて詳細に著者の考えが展開されている点である.内容については賛同できる点,できない点があるが,プロジェクトマネジメントのポイントがここにあることを考えると,非常に適切だといえる.もうひとつは,トラブル事例が掲載されている点である.プロジェクトにおけるリスクのマネジメントが重要であることはいうまでもないが,リスクマネジメントをもっともインパクトをもって説明する方法のひとつはトラブル事例を示すことである.この点でも本書は評価できる.
 このように非常によくできたプロジェクトマネジメントの入門書であり,プロジェクトマネジメントをこれから勉強しようとされる方にはぜひお奨めしたい.
評価 レベル 入門 お奨め度 ★★★★★